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2018年に産声を上げ、幾多の名勝負を生み出した麻雀界の王女たちによる誇りをかけた「プリンセスリーグ」。今年度よりシステムを一新し、トーナメント形式の「Princess of the year」として生まれ変わった。これまでは予選をリーグ戦形式で行ない、プレーオフ、準決勝、決勝へと勝ち進んでいくシステムだったが、今年は一次予選と二次予選に総勢27名が参加。準決勝シードの前年度覇者・瑞原明奈を含め、過去最多の28名がこの舞台に集った。最高位戦日本プロ麻雀協会、麻将連合、日本プロ麻雀協会、RMUのトップ女流雀士たちの競演は、どの組み合わせを見ても、まるでタイトル戦の決勝のようだ。華やかで、きらびやかで、そして激しい。そんな彼女たちの戦いは、二次予選まで終えて7名の勝ち上がりが決定した。

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一次予選に続いて二次予選でもトップ通過を果たした石井あやは、ジャンプアップで準決勝を決めた。

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準決勝通過を決めた残る6名。左から上田唯、佐月麻理子、小宮悠、三添りん、冨本智美、根本佳織。

今回は9月12日(土)、13日(日)に控える準決勝・決勝に向けて、彼女たちの予選の戦いを振り返っていこうと思う。

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まずは1位通過の石井だ。グループ予選Bの1回戦でそれは起きた。ドラのp7を切れば1シャンテンだが、「私はドラを使い切るんだ!」と意志表示をするかのようなp8切りを選択。決してソーズ場況が良くない中でのペンチャン残りだが、叩ける時にはしっかり叩くという覚悟が垣間見える。それが――

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こまで育った! ドラ4の鬼手でリーチをかけ――

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p7の暗カン、ハイテイツモに裏1までつけて、驚愕の倍満成就を果たしてみせた。石井といえば「沈黙のスナイパー」というキャッチフレーズが有名だが、最近のスナイパーは対人バズーカまで用意しているようだ。

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2位通過の冨本は、勝ち残った選手で最も追い風を感じているプレイヤーかもしれない。一次予選では最終戦オーラスに役満・国士無双をライバルから直撃。それだけでは条件達成に至らなかったが、同じく最終戦オーラスに別のライバルが国士無双に放銃するという奇跡のコラボレーションが起きたことで、驚愕の二次予選通過を果たしてみせた。さすが「鳳凰の花嫁」。信じられないよみがえりっぷりである。
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勢いに乗る冨本は、二次予選でも絶好調。ダブz1ポンからマンズのホンイツを目指していた彼女は、z1、そしてリンシャンから持ってきたz6を立て続けに加カン。2者は門前だがみな自身の仕掛けに引き気味と見て、さらなる高打点を見据えた。そして――

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新ドラを1枚乗せて会心の6000オールに育て上げた。

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3位通過の小宮は、出場選手の中で最もプロ歴は浅い。獲得タイトルもないが、その実力は多くのファン・関係者が知るところ。1年目のプリンセスリーグでは決勝進出も果たしている。一次予選の4回戦、小宮は仕掛けを入れている対面の派手な河を見て、今出たばかりのs2を合わせ打った。すわ撤退か? と思われたが――

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その後、わずか2巡でこのチートイツに仕上げてみせた。過剰なリスクは負わず、かといって勝負手への加の性も潰さない。そんな判断が生んだのが――

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この一発ツモだ! まさしく電光石火。圧巻の3000-6000を決めてみせた。

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4位通過の三添は、小宮と同じくノンタイトル。しかしながら豊富なキャリアに裏打ちされた判断力と、赤アリルールへの経験値は出場選手の中でも随一という強みがある。一次予選の2回戦では、チンイツチャンスが訪れた。当然のz7切りかと思われたが、彼女はここでs2を暗カン! その意図はトイツのs1の位置を見れば一目瞭然。そう、ノーチャンスにすることでs1を釣り出そうという作戦だ。暗カンした際に左端に2牌あったら、それがs1だということはスケスケだ。かなり前の段階から準備をしていた甲斐もあって――

mizoe2首尾よくs1ポンに成功! そうして結実した4メンチャン待ちは――

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ツモれて当然! 爆発力に定評のある三添が、準決勝以降の戦いでジャイアントキリングを起こしてもおかしくはない。

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5位通過の上田は、昨年度の準優勝者。瑞原を除くファイナリスト3名は二次予選からのシード選手として登場したが、実力者たちの祭典の中にあっては彼女たちでも苦戦を強いられる。そんな中、上田は飄々とポイントを稼ぎ続けていた。2回戦ではドラのp1を持ってきたところで雀頭候補のs6を切り飛ばした。これは強欲! 強欲すぎてブラッド・ピットが飛び出してきそうな案件だ(セブン世代)。だがタイトルをかけた戦いにおいて――

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この強欲さは必須スキルなのかもしれない! 見事にドラ3のリャンメンに仕上げ――

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鮮烈な跳満をツモり上がってみせた。この手で満貫をアガっているプレイヤーは多いかもしれないが、どれだけの人間が跳満に育て上げられるだろう?

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6位通過の根本佳織は、今年が本戦初出場。しかしながら長く競技麻雀を見ているファンであれば、彼女の存在を知らぬ者はいないだろう。なんといっても特筆すべきは、前人未到の女流最高位戦5連覇の末に手にした「永世女流最高位」の肩書きだ。後にも先にも根本しか成し遂げていない記録だし、おそらく今後もそうそう破られることはないだろう。

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そんな根本の異彩が放たれたのが、二次予選4回戦のこのシーン。m1ポン、ペンm7チーでテンパイを果たした彼女が捨てたのはm2だった。

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鳴く前はこの形。カンm7チーをしてm6を切ればm2m5待ちの亜リャンメンに取れる。見た目枚数では当然こちらが多いのだが、根本は悩んだ末にペンm7でチーをした。その結果――

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驚愕のm6ツモ! いったい何が見えているのか!? と思うレベルの神アガリで、永世女流最高位の実力を知らしめてみせた。

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7位通過の佐月麻理子は、一次予選、二次予選ともに崖っぷちの戦いを強いられた。だが百戦錬磨の彼女は、そんな逆境を勝ち残ってみせた。一次予選の最終戦、開局早々に好配牌を生かして6000オールを成就した後、追撃のチャンスが訪れた。トイツのz5を落とした門前高打点手順。トータルポイントが予選通過に心もとないと見て、一気に勝負を決めに行った。

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が、下家がリーチしたのを受けて、現張りのヤミテンを選択。状況に応じたギアチェンジもお手の物だ。この判断が功を奏し――

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5800は6100を出アガリ。華麗に追撃を成功させたことで、晴れて予選通過を果たした。

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かくして予選を勝ち上がった王女候補を迎え討つのが――

 

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現プリンセス・ディフェンディング王者の瑞原だ。昨年度の準決勝、前半2戦でラスを引いてから巻き返しに成功した奇跡的な逆転劇。思えば瑞原の快進撃は、あの時から始まったように思う。彼女が初めてのタイトルを手にした「原点」と呼べる舞台で、また熱い戦いが始まる。

熱を帯びて、加速していく王女たちの戦い。その頂きに立つのは、ただ一人――。

文:新井等(スリアロ九号機)

Princess of the year2020一次予選グループA
ニコニコ生放送⇒https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327461772
FRESH LIVE⇒https://freshlive.tv/threearrows-ch/280455

Princess of the year2020一次予選グループB
ニコニコ生放送⇒https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327461790
FRESH LIVE⇒https://freshlive.tv/threearrows-ch/280456

Princess of the year2020二次予選
ニコニコ生放送⇒https://live2.nicovideo.jp/watch/lv327462087
FRESH LIVE⇒https://freshlive.tv/threearrows-ch/280457

Princess of the year2020準決勝
ABEMA⇒https://abema.tv/channels/mahjong-live/slots/AypTsAnLFxdmk3

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