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書き殴りバナー最終稿

「新井の書き!殴り!」は、バカヅキ配牌と裏ドラだけで麻雀をしているスリアロ新人スタッフ新井が、恐れ多くもスリアロ看板番組に出演した麻雀界のスターたちを、好き勝手に書き殴っちゃうコーナーです!! たぶん……。

半端なイケメンはムカつくけど、完成されたイケメンは何かもう惚れる

パイオツカイデーチャンネート、シースータベタイ(川口の方言で、「本日はお日柄も良く、みなさまとまたこうしてお会いできて、うれしい限りでございます」の意)

はい、今回もとても厳かな雰囲気のなか始まりました「新井の書き!殴り!」。みなさま、ご機嫌はいかがですか? 私は今日も頭がどうかしています。以前勤めていた会社の上司に「新井君は真面目すぎるから、もうちょっとプレイベートとか欲望とかをオープンにした方がいいよ」とアドバイスを受けたことがあったのですが、そのなれの果てが今の僕です。

た だ誤解されがちなんですが、僕が口にすることって、いろんな人の本音を代弁しているだけに過ぎないと思うんですよね。ちょっと、お口の蛇口が緩いだけで ね。みんな、ホントはパイオツカイデーチャンネーと、シースー食べたいでしょ? 叶わない願いを、つねに胸の内に秘めているでしょ? あと、いいオンナ連 れた雰囲気イケメンとか見ると、イライラしたりしません? あれ? 僕だけ? だったら、やはり僕の闇が深すぎるのかもしれませんなぁ……。

それにしても、最後のはどんな気持ちからイライラしちゃうんでしょうかねぇ。嫉妬なのかな? その雰囲気イケメンにいいところがあるからカップル成立しているんでしょうが、それでも「お、俺の方がいい男だし!」と震え声で口ずさんだりしちゃいますからね、僕。

ただ、そんな心が複雑骨折し ている僕でさえ、美男美女のカップルを見ていると、なんだか心が洗われたような感覚に襲われるのです。さながら、一流の絵画を目にした時に感動を覚えるよ うな、そんな気持ち。というか、完成されたイケメンだったら、単体でも嫉妬的な感覚など、微塵も覚えません。たぶん、潜在的に降伏しちゃってるんでしょう ね。僕がなら、完全に仰向けになって寝転がってますよ。実際にそんなことしたら、しばらく入院を余儀なくされるので、しませんけどね。たぶん。

と、いつも通りのどうでもいい話をしてストレス発散できたので、そろそろ今回の番組を紹介しましょう。はいドン!

麻雀の鉄人-挑戦者 滝口幸広

麻雀の鉄人 挑戦者 滝口幸広

http://live.nicovideo.jp/watch/lv260140762

麻雀界に聳え立つ麻雀の鉄人たち。各界の著名人が、その牙城に挑戦する「麻雀の鉄人」。
今回の挑戦者は、麻雀漫画「鉄火場のシン」実写版で主人公・山崎シンヤ役を務めたイケメン俳優

「滝口幸広」

鉄人・小林剛が対談しただけで、そのレベルの高さが伺えたという挑戦者が、
鉄人狩りに挑む! 勝つのは鉄人か!? 挑戦者か!?

【挑戦者】
滝口幸広(俳優)

【鉄人】
石橋伸洋(最高位戦日本プロ麻雀協会)
小林剛(麻将連合)
鈴木たろう(日本プロ麻雀協会)

【実況】
松嶋桃(日本プロ麻雀協会)
【解説】
土田浩翔(最高位戦日本プロ麻雀協会)※一回戦のみ
片山まさゆき(漫画家)
渋川難波(日本プロ麻雀協会)※二回戦から

※全4半荘勝負です。

ということで、今回は4月29日に放映されたばかりの「麻雀の鉄人 挑戦者 滝口幸広」について書き殴らせていただきます! 滝口さんはね、麻雀漫画「鉄火場のシン」がDVDで実写化された際に、主役の山崎シンヤ役を務めたんですね。ということで「リアル鉄火場のシン」というコピーをつけさせていただいたんですけど、すいません、観てねっす! もっとぶっちゃけると、漫画の方もちょっとしか読んでねっす! ただ、「鉄火場のシン」作者の森村雄大さんの作品がらみの思い出はありまして、「無法地帯の賭博師モリソン」の闘牌監修を務めた佐藤聖誠プロから、モリソンを押し売りされそうになったと いう、とても美しい記憶があります。僕ね、本を読む順番とか、けっこうこだわりがあるんですよ。今回のケースで言うと、鉄火場のシンをまとめ読みしてから のー、モリソンに移るという流れで関連作を読破し、DVDでフィニッシュ! そういう綿密なプランがあるので、もう少々お時間をいただきそうですね。

話は戻って滝口さんですが、実際にお会いしたら、それはもう男前でしたよ! たぶんね、あれはギロッポンでシースー食べ放題っすわ。そして何よりビックリしたのが、驚くほど腰が低い! ペーペーの僕に対して、メッチャやわらかい物腰でお話ししてくれましたからね。あの笑顔はね、反則ですよ、反則。もう、とよぴ~だったら惚れてるレベル。そんなさわやかイケメンが選んだ鉄人が、小林剛プロ、石橋伸洋プロ、鈴木たろうプロの3名。小林プロが自身で仰っていましたが、「7人いる鉄人のうち、メンドくさい方3人」ですからね。3人がマースタエキシビションの門前禁止ルールみたいな麻雀をやるなか、実力未知数の滝口さんが、どう闘うのか? 興味の照準は、そこに合わせられていました。この業界に身を置くものとしてはプロが不覚を取るのは観たくありませんが、滝口さんが奮闘する姿も観たい! そんな複雑な心境のなか、放送が始まったのでした……。

第1回チキチキメンドくさい王決定戦!

「麻雀の鉄人」では、必ず麻雀アカデミー主宰・土田浩翔プロの語りが冒頭に入ります。今回の土田プロのセリフ、考案するのに僕も絡ませていただいたのですが、せっかくですからその全文を掲載しておきますね。

「みなさま。麻雀アカデミーへ、ようこそ。この麻雀アカデミーは麻雀ファンの皆様に「究極の麻雀対局」をお届けするために設立されたものである。

今から始まる対局は、みなさまが目にしたことのない対局になることは間違いありません。

麻雀史に残る、奇跡の対局。皆様と一緒に、私も楽しんで参りたいと思います。

申し遅れました。

わたくしは当麻雀アカデミー主宰。土田浩翔です。

麻雀界に君臨する七人の鉄人たち。彼らの奇跡の打牌は、感動を、興奮を、そして麻雀への愛を! 人々の魂に余すことなく刻み込んで参りました。

そんな麻雀の鉄人に今回挑戦するのは、その甘いマスクで麻雀の女神の寵愛を一身に受けている男でございます。鉄火場の申し子を見事に演じ切った男が、その愛で! 今宵、鉄人を討ちます。

今回の挑戦者は、この男だ!!!」

……というね、超がつくほどの長文! 土田プロ、回を重ねるごとにどんどん役者染みていっていますよねw このセリフ、土田プロは大層お気に召したようで「いいねぇ、麻雀は愛だよ、愛!」と仰っておりました。いいですかみなさん、麻雀は愛ですよ! 覚えておいて損はないですよ。裏ドラいっぱい乗りますよ!

そんなこんなで土田プロの熱演、各選手の紹介と進行し、1回戦がつつがなくスタートいたしました。

東1局、親は滝口さん。ドラs4。3巡目、たろうプロがm5p1p1p4p4p5p7p8s5z2z4z5z7と、1メンツもないところからp1をポン! ピンズのホンイツへと向かいます。さすがメンドくさい初号機! 普通の人がこれをやると、鳴かないといけない呪いで もかけられているのかと思ってしまいますが、たろうプロクラスだと、ここからしっかり仕上げますし、また放銃しないんですよね。しかも、周りはたろうプロ のことを警戒しますから、けん制としての意味合いも十分大きいのではないでしょうか。親の滝口さんは手が整い、石橋プロはドラがアンコ、小林プロはピンズ のメンホンと、誰よりも打点が低いたろうプロですが、誰よりも元気! 巡目が進んでp4p4p5p7p8z2z4z5z7となったところから、石橋プロがツモ切ったp4をポン! 打z2とし、小林プロの肝のp1p4をほとんど枯らしてしまいます。結果、3段目になりながらも、なんとかテンパイしたたろうプロ。本手の石橋プロがp3をツモ切り、たろうプロへ2000点の放縦となりました。続く東2局も石橋プロは1人ノーテンで、連続の失点。石橋プロ、苦しいスタートです。

東2局1本場、ドラm7。親は小林プロ。メンドくさい弐号機の小林プロが、z5m2をポンして前へ出ます。そこに、メンドくさくないイケメンの滝口さんからリーチ! カンm8待ちなのですが、じつは滝口さんm4m5m5m7m9p4p4s1s2s3s4s5s6s6の形から、m5を先切りしていたんですね。しかも小林プロは、m8が浮いた状態。テンパイした小林プロがm8で放銃し、リーチ一発オモウラ、8300点の失点となりました。さらに滝口さんは次局m1m4待ちを即リーし、1300点の加点。東2局のリーチもドラなしのペンp7を即リーしていましたし、かなり思い切りがいいタイプのようです。

東 4局に小林プロがリーチをアガって1300点を取り戻し、いざ南入。無料会員の方は、ここから先の展開を知らないと思いますので、点棒状況をひとまずまと めておきましょう。トップ滝口さん36600点、2着たろうプロ25700点、3着小林プロ19000点、ラスは石橋プロ18700点。

南1局、ドラp2。親の滝口さんに、ドラと發がトイツというチャンス手が入ります。z6を早々にポンしてからじわじわと前進するものの、なかなかテンパイには至りません。先制したのはたろうプロ。カンm5でリーチをするのですが、途中の選択がすばらしかった! m1m1m4m6m8p2p3p4s3s5s7z7z7z7というリャンカンが2つある形。見えている枚数的にも決めづらいところではありますが、

001

たろうプロはここから打s7! マンズの場況の良さを見たうえでの判断ということでしょうか? 次巡、s5を持ってくると、滝口さんがm7を1枚切ったこともあって打m8m1m1m4m6p2p3p4s3s5s5z7z7z7とし、さらにs7を引き戻すと、s3と入れ替えてs5s5s7の形にします。解説の松嶋プロも言っていましたが、いったい何が見えているんでしょうね? 結果、s6を 引き入れてリーチをしたのですが、これまでの間、裏目を1枚も引いていないというね! あの難しい形から最短距離でリーチを打ったのは、見事というほかあ りません。アガリにこそ結びつきませんでしたが、たろうプロの場況読みが冴え渡った一局。また、滝口さんがリーチを受けながらなんとかテンパイをキープす る粘り強さを発揮。彼の強さの一端も垣間見た気がします。それぞれが見せ場を作ったたろうプロと滝口さんが、テンパイ料1500点を獲得しました。

南1局1本場、ドラz4。滝口さんは5巡目にm2m3m3m4p6p6p7p8p8s2s7z5z5という形にz5をもう1枚持ってきて、受けが広がります。ただし、早いのは滝口さんだけではありません。全員がシャンテンというなか、たろうプロにカンp2のテンパイが入ります。しかし、親番の滝口さんに親っかぶりをさせたい2着目のたろうプロ。シャンテンを戻し、打点を高めにいきます。s8を浮かしていて、うまくくっつけば678の三色も見えましたが、深追いはせずm9を持ってきたところでm6 m9のリーチ。ドラドラある焼き鳥の石橋プロは、アガリに向かって無筋のs6をプッシュ。滝口さんもp6 p9のテンパイを入れて勝負にいきますが、最後にm6をつかんだ滝口さんが放銃。打点は1600点と決して高くはありませんが、直撃は大きい。たろうプロは南2局にも1300点を和了。滝口さんとの差が、じわじわと詰まっていきます。

南3局、ドラp2。小林プロがz4をポン、ペンp7をチーして、サクサクと前へ。p2 p5のテンパイで、先手を取ります。そしてたろうプロもm4p5のシャンポンリーチ! 滝口さんは瞬間テンパイを取ったものの、すぐに降ります。石橋プロは、相変わらず苦しい。見せ場がありません。そして、たろうプロがあっさりとm4をツモ。リーチツモイーペーコードラで、2000-4000。ついに滝口さんをまくります。

南4局、ドラp5。 トップたろうプロ39100点、2着滝口さん34500点、小林プロと石橋プロは13200点で同点なのですが、麻雀の鉄人では同点者の順位点は分ける ルール。なので、両者は安くてもいいからアガリたいところ。トップのたろうプロにとっては、うれしい展開です。滝口さんのトップ条件は決して難しくはな かったのですが、小林プロがサクッとチャンタのみで300-500をアガり、単独3着に。当初の予想通り、ひじょうにペースの早い半荘でした。

あの2000-4000は、拾えねっす!

続きまして2回戦、先だってアップした速報版では1回戦の模様だけでしたが、今回はしっかり全部、その模様をお届けしますよ!

東1局ドラs1、起家は石橋プロ。たろうプロの手牌に、ドラがトイツ。滝口さんは3巡目にm3m4m9m9p2p2p5s2s4s4s5z1z1という4トイツ系から、p2をポン! チートイを捨て、役牌も活かしたトイトイコースか? そんななか、シャンテン一番乗りは小林プロ。m5p5s6を引けば、チートイツのテンパイです。 一方、1回戦のビハインドを取り戻したい石橋プロは、m4m5p3p4p6p6p7s3s3s7s7s7z5z5という形で長考します。

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みなさん、これ何切ります? 4トイツだからチートイツも見えますね。僕は門前厨でリャンメン系は嫌いたくないので、z5を落として無理やりにでも好形でリーチしたいです。石橋プロは打p3としました。チートイツ、トイトイが見え、z5の仕掛けにも対応できる柔軟な形ですね。2シャンテンで役牌を絞っていた、たろうプロですが、受けが広がったタイミングでz1をリリース。これを滝口さんがポン! すぐさま石橋プロの捨てたs3もチーして、m2m5のテンパイを取ります。z1の加カンもするなど、相変わらず積極的です。しかし、鉄人たちは挑戦者の猛攻を黙って許すはずがありません。小林プロが、当たり牌のm5を重ねてz6単騎でリーチ! 見るからにチートイツという河のなか、滝口さんは生牌のドラを即効でつかみます。ほぼほぼ通りそうなm9をトイツ落とししてちゃんと降りるあたり、じつに冷静です。一方、ドラドラで親番のたろうプロは生牌のz3をシャンテンプッシュ! やる気全開です。続けて石橋プロがp5を鳴いてドラ単騎のチーテンを取ります。直後、たろうプロがm2 m5 m8でリーチ! z3を押した甲斐があったかと思われましたが、z6をつかんで小林プロに放銃。3200点が移動します。

東2局、ドラp9。親は滝口さん。その滝口さんの配牌に、東がトイツ。やる気を出したいなか、サクサクと手が進みます。そんななか、石橋プロがメンホンチートイのシャンテン。5巡目の時点でp1p1p1p2p2p5p9z3z3z4z4z5z5と鳴きも対応できるしドラもある、やる気しか起きない形です。そんな状況のなか、たろうプロがp2p5の先制リーチ。これに対して石橋プロは無筋のp1をプッシュ! p9単騎、メンホンチートイドラドラのテンパイです。続けて小林プロもテンパイ。リーチ宣言とともにp9を切ったのですが、12000点の失点。ここにきて、ついに石橋プロが爆発しました!

東3局ドラz2、親はたろうプロ。またしても石橋プロに、メンホンチートイが見える手牌が。

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このp1p1p2p2p2p3p5p9z2z5z6z6z7z7という4トイツ系で、ドラのz2をリリース。打点十分、リードもしていると見て、アガリ安さを優先した判断なのでしょうか? これには解説陣も驚きを隠しきれません。たろうプロは、遠いところながらs6をポンして、らしい仕掛けでホンイツに向かいます。そんななか、先制リーチは滝口さん。場況良しのm9単騎を一発ツモ! リーチ一発ツモチートイツ、2000-4000の加点で、トップの石橋プロと2000点差に迫ります。

相変わらず好調の滝口さんですが、これに待ったをかけたのが石橋プロ。東4局に先制リーチをし、小林プロからメンタンピンドラ、8000点を直撃。滝口さんを引き離します。さらに南1局、その黒さが爆発! 滝口さんがs5 s8の先制リーチをしたのですが、この時点で山に当たり牌は5枚あります。これをたろうプロがビタ止めし、カンs4で追っかけリーチ! 無筋のp2は押したものの、当たり牌のs8を押さえてこの形にしていますからね(s9は全枯れ)。さらに小林プロが宣言牌のs7をチーして、2者に無筋のm4を押してテンパイを通ります。それを見た石橋プロが、手牌バラバラのところからハイテイが小林プロになる仕掛けをします。その結果、滝口さんが小林プロの当たり牌であるm6をキャッチ! 1000点の失点となり、石橋プロの黒さが思わぬ決着を招く形となりました。僕が滝口さんだったら、後で山5と知った時に奇声を発するようなレベルの局でした。

南2局、ドラs6、親は滝口さん。この局面、石橋プロの冴え渡る打牌選択が見えました。それがこちら、はいドン!

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m5m6m6m8m8m8p4p5p5p6p6s6z1z1という形。さて、何切ります? ドラのs6? 親の滝口さんに鳴かれると、トップ争いをしているなか、まあまあメンドくさいですよね。m6のツモ切りもありそうですが、チートイツのシャンテンなので、迷うところ。高打点のメンツ手に決め打つなら、z1をトイツ落としするというのもあるでしょうが……、石橋プロは打m8! 意地でもドラを切らず、安牌のz1も絶対に残すという覚悟が伝わってくる一打です。それが功を奏し、次巡にm5を引き入れます。ドラ単騎でダマテンに取り、さらに次巡にツモ! この2000-4000は、ほとんどの方が拾えなかったのではないでしょうか。いやぁ、これまで黒い黒いとさんざん書き連ねましたが、カッコよすぎます!

南3局、ドラs4。親のたろうプロの配牌にm6がアンコ、z5がトイツ、そしてz4がカンツという形。当然のようにカンをして、新ドラがm5。ペンm7もチーして、あっという間にマンズのホンイツ、テンパイすれば親満です。全員が役牌を絞って迂闊に前に出ないなか、滝口さんがs6s7s8の出来メンツからs8をチー。元ドラが場に1枚しか見えていないなか、s5s5s6s7から鳴いているようにも見えるブラフ鳴き。結果はたろうプロの1人テンパイに終わりますが、滝口さんが新たな引き出しを使って、鉄人たちに楔を打った一局でした。

続く1本場はたろうプロと小林プロのテンパイに終わり、迎えた2本場、ドラはs1。滝口さんが親を蹴ろうと早い仕掛けをします。これを見て、動く黒きメンタリスト! 滝口さんの打点が安いと読み、中抜いてアシストに回ります。狙い通りに滝口さんが2フーロしたものの、たろうプロがp3p6のピンフを黒いダマテンに取ります。リーチをすればみんなおいそれと向かってはいけませんが、1人、滝口さんにアガらせようと黒いことを考えている方がいますからね……。そして案の定、差しこみ狙いの石橋プロが中抜いたp6で、たろうプロに放銃! 2100点のアガリとなりました。石橋プロとしては、打点以上のダメージだったことでしょう。

連荘を続けるたろうプロ。南3局3本場、ドラはm1。トップの石橋プロとは、依然27000点ありますが、2着の滝口さんとはわずか5100点差。これ以上の連荘は許せない滝口さんは、z6を3シャンテンからポン。次巡にはドラも切って、安さをアピール。石橋プロのアシストを誘います。あれ? もしかして、滝口さんも黒い? しかし石橋プロ、手格好が整っていて、今回はアシストに回りにくい。悩ましい展開のなか、俺の事も忘れるな! と言わんばかりに小林プロがカンs2待ちのリーチ! が、直後に滝口さんがp2をツモ。600-800をアガり、自力でオーラスに持ち込みます。

南4局、ドラm6。親は現状ラス目の小林プロ。点棒状況はトップ石橋プロ46800点、2着滝口さん28500点、3着たろうプロ19600点、4着小林プロ5100点。この点棒状況だと、石橋プロと滝口さんが協力プレイに移行しやすいですよね。思惑通り、滝口さんが早々にm2をポン。z2バックの遠い仕掛けですが、石橋プロが乗ってきてくれれば、あるいは……。そんな感じの形。一方、親番の小林プロがz5z4をポン。連荘に望みをつなぎます。そこで石橋プロがz2を持ってきます。滝口さんが欲しい牌ですが、小林プロにも怖い牌。小考の末、石橋プロはz2をリリース! 滝口さんがs1s3と落としているのを見て、役牌バック濃厚と読んだのでしょう。前に進んだ滝口さんですが、小林プロがs3 s6でテンパイ。 ついに、ここで小林プロが日の目を見るのか!? と思ったら、滝口さんがカンm3でテンパイ。石橋プロは、滝口さんに差しこむことも考えたのでしょうが、その当たり牌のm3を立て続けに2枚引き、s1s4s7の3門張リーチ! 滝口さんからしてみれば、裏切られたような気持ちでいっぱいだったことでしょう。無筋のs2をつかみ、現物のm4を切ってテンパイを外します。続けてs3を持ってきて、打m2。フリテンではあるものの、張り直します。その直後、s1をツモ! 粘り強い300-500で、2着を死守しました。半荘終了時、滝口さんと鉄人たちが笑いあっていたのが、とても印象的でした。なんというか、みんなが認め合っているかのような、そんな朗らかな雰囲気。ひと時のブレイクタイムに、ほっこりとさせられました。

まさかの! 115分ゲーム!!

さて、前半2回戦がサクサクッと終了したので、ここで現在のポイントを確認しておきましょう。トップがたろうプロで+27.9、2着が石橋プロで+18.4、3着が滝口さんで+14.8、ラスが小林プロで▲61.1。滝口さんの健闘が光り、小林プロの1人沈みという展開に……。これからの後半戦もサクサクッと進むと思われましたが、なんとまぁ、3回戦はじつに115分のロングゲームとなりました。いったい、誰が原因なのか? それは、これから種を明かしてまいりましょう。

東1局、ドラはm4、起家は小林プロ。8巡目で全員が1シャンテンという、ぶつかり合いの予感がひしひしと伝わってくるなか、まず滝口さんが動きます。z7のポンテンで、s4 s7待ち。その1巡後、石橋プロがリーチチートイツ、s1待ち。直後に小林プロが、イーペーコーのカンp6をダマテン。同巡、たろうプロがリーチイーペーコードラのペンs7待ちと、一瞬にして全員がテンパイとなりました。最初の2回戦もそうなんですけど、みんなそう簡単に降りないんですよね。片山先生曰く「平均2.5人は押している」というのも、納得のいく展開です。この勝負を制したのは、小林プロ。石橋プロがp6をつかみ、2000点の加点となりました。

東1局1本場、ドラはz5。前局、ひさびさにアガった小林プロは、4巡目にドラを重ねて再び勝負にいける形に。好調をキープし続けている滝口さんは、リャンメンと3メンチャンのシャンテンに。前回トップの石橋プロはマンズのホンイツが見えるものの、鳴けないとまだまだ遠い形。そんな局面で先手を打ったのは、たろうプロ! リーチ三色、ペンp7待ちです。なんとこのp7が全て山の中! というわけで、たろうプロが当然のようにツモ。2100-4100のアガリとなりました。しかし、ここで親っかぶりした小林プロは、じつにつらい……。

東2局、ドラはz3。親はたろうプロ。ここでも手がぶつかる展開が。まず、たろうプロがドラ切りでp3p6p5ピンのテンパイ。そのz3をポンして、石橋プロがz3ドラ3、p5p8の満貫テンパイ。続けて滝口さんがメンピンのp5p8待ち。p8は高目で三色です。みんながピンズのテンパイ、そして置き去りの小林プロ。ここで勝ち名乗りを受けたのは……、たろうプロ! 裏も乗せて5800点のアガリとなりました。

東2局1本場、ドラp2。石橋プロに234の三色が見える配牌が。シャンテンからs8を暗カンすると、滝口さんの雀頭のp8が新ドラに。リャンメン、3メンチャンのシャンテンと、こちらもチャンス手です。が、先手を打ったのはたろうプロ。メンピンドラ、m1m4m7の3メンチャンです。この親リー一発目に、筋とはいえ石橋プロがドラのp2をプッシュ!

006

シャンテンで、マンズもソーズもフリテンの形。たろうプロのカンチャン固定はないと踏んだのでしょう。その甲斐あって、カンs3でリーチ! フリテンを解消して追っかけましたが、決着はつかず。2人テンパイで、東2局2本場へ。

東2局2本場、滝口さんがm3、カンs5と引き入れ、s9をトイツ落とし。タンピン三色も見える形に。石橋プロがマンズのチンイツへと向かうなか、小林プロはs1s4待ちのピンフリーチ。石橋プロはm8をポンしているカン8m待ちの黒いチンイツで、リーチに立ち向かいます。これをリーチの1巡後につかんだ小林プロ。あまりにも、あまりにも痛すぎる満貫の放縦となりました。

ここまでは連荘もあったものの、比較的普通のペース。では何があったのかというと、東4局。あるお方が、怒涛の連荘を魅せてくれました。その主演男優賞の石橋プロ、まずは1本場、4巡目にリーチイーペーコー、カンm8待ちで先手を取ります。小林プロがドラドラのリーチ、ツモれば三暗刻もついて跳ね満の手で押し返しましたが、直後に石橋プロがツモ。2100オールの加点です。続く2本場、今度は7巡目にピンフドラのリーチ。山3のs5s8待ちを当然のようにツモアガり、裏も乗せて4200オールで断トツトップに踊り出ます。バッシータイムは止まりません! 続く3本場は、2着目のたろうプロから8600点を直撃。4本場は、カンm5王様リーチで3人の足を止め、小林プロとの2人テンパイに。さらに5本場に2500オールをアガり、この時点で石橋プロの得点は71000点に。続いてたろうプロが22200点、小林プロが4000点、滝口さんが2800点と、もう天下無敵の状態ですよ。ここまで押し続けて石橋プロの進撃をはばもうとしていた、たろうプロが、ようやく石橋プロから7000点を直撃。それでも石橋プロとは34800点も差がありますからね。

ようやく、3回戦も南入。この時点で、じつに85分も経っている長丁場です。バッシータイム、おそるべし! 南1局、ドラm3。この親番で何としても挽回したい小林プロですが、いかんせん手が悪い。たろうプロ、滝口さんは早々に2シャンテンです。そして滝口さんは、早くも5巡目にテンパイ。

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m1m2m2m3m4m4m6m7m8p6p6s2s3s4の形から、少し考えてm1切り、カンm3のダマテンを取ります。ダマでも満貫ありますし、巡目も早いので好形変化もあるかもしれません。と思っていたら……、m3を次巡にツモ! 2000-4000のアガリではありますが、もしもリーチだったら……。休憩時間に滝口さんとお話しをさせていただいた際には、やはりこの局面を悔やんでいるようでした。ただ、それ以上に悲しいのは、一瞬で親番が終わった小林プロかもしれません……。

南2局、ドラz1。親はたろうプロ。ここで、もういつ以来かわからない先制リーチを打ったのが小林プロ! メンツ手のドラ単騎で、少しでも高い打点を目指します。親番のたろうプロは、まっすぐアガリに向かい、すぐに生牌のz1をつかみます。これをツモ切り、小林プロがリーチドラドラ裏、8000点のアガリをものにしました。

南3局、ドラs1。トップが石橋プロで62000点、2着がたろうプロで19200点、3着が滝口さんで10800点、ラスが小林プロで8000点。2着争いがひじょうに熾烈ななか、親の滝口さんに、m4m5m7m8p2p3p5p6p7s5s6z3z4z7という好配牌が入ります。手を進めてリャンメン、リャンメンのシャンテンまでいきますが、先手を打ったのはたろうプロ。p7s1のシャンポンリーチです。続けて石橋プロがカンm2でリーチ! 仮にたろうプロに放銃しても、局が進むからいいという判断でしょうか。親番の滝口さんとしては苦しい展開ではありますが、回りながら機を伺います。そしてm4p2p3p4p5p6p7p8s2s3s5s6s7m4を持ってきて、p2切りでリーチ! 2軒リーチをくぐり抜けた気迫がまさり、滝口さんがs4を2巡後にツモ! 2600オールをアガり、たろうプロをまくることに成功しました。

南3局1本場、ドラs1。そのドラが、滝口さんの配牌に3枚!

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しかし、役がない! 面子手を見るか、役牌のz2z7が重なるのを待つか。そんな展開に期待したいところです。z2z7を残してs9p9と切っていったところ、裏目のp8引き! しかし直後にp6を引き入れ、リカバリーに成功。好形の1シャンテンに。一方、小林プロもメンホンチートイのシャンテンに。石橋プロも、s2をチーして234の三色コースへ。小林プロはチートイツにこだわらず、たろうプロがツモ切ったz1m3m3m4m6m6m7z1z1z2z5z5z6z6からポン。打z2とし、役々ホンイツを目指します。z1z6は場に1枚ずつ切れており、これは鳴ける可能性が高そう。さらに石橋プロが空切りしたm2をチー、次巡にz6をアンコにして、m5m8の満貫テンパイ。現状ラス目の小林プロは、これを何としてもアガリ切りたいところではありましたが、s5s8でテンパイを取っていた石橋プロ。滝口さんから1300点をアガり、滝口さんと小林プロのチャンスを握りつぶしました。

南4局、ドラはm2。親は石橋プロ。トップは石橋プロで59700点、2着が滝口さんで19300点、3着はたろうプロで15600点、4着が小林プロで5400点。着順アップを狙いたいたろうプロですが、m3m7m8p2p5p7s1s6z1z2z5z6z6という配牌から、1巡目にz6をポン。このz6ポンで、3700点差をまくる最終形、みなさん想像できます? ちょっと、僕はできないです。ドラのm2を引き入れて、かつ役牌を重ねる? 無理やりホンイツ? トイトイは難しそうだし……。たろうプロは、z6を鳴いた後にz1z5s1とバラ切り。この時、手牌はm3m5m7m8p2p3p5p7s6z2という形。僕は、いまだにビジョンが見えません。あるいは、親の石橋プロが高打点のアガリをさらに重ねることで、被害が拡大することをケアした鳴きだったのかもしれません。実際、石橋プロがドラドラのシャンテンと、たろうプロの予感が的中していることになります。が、ここからのたろうプロが、じつに粘り強い! z2を重ね、次巡に持ってきたz6を加カン! 新ドラのz4は乗りませんでしたが、打点アップの可能性を目指し、積極的に攻めます。m3m5m7m8p2p3p5p7z2z2から、m7m8m6をチー。打p5とし、1シャンテンにします。次巡、たろうプロはz2をアンコにします。なんと、まだシャンテンではありますが、ツモれば800-1600で、300点差で着順アップの条件がクリアです。これは、良い子はマネしちゃいけない条件づくりです。が、そのたろうプロと争っている滝口さんも、黙ってはいません。m3m4p4p4p5p6s1s2s3s3s5s8s9から、m5をチー。たろうプロがツモ切った新ドラのs4もチーして、s9単騎の形式テンパイに取ります。たろうプロに危ない牌をケアしつつ、単騎変えでテンパイをキープします。その間隙を縫って、小林プロがメンピンドラ3、s3s6のリーチを打ちます。ツモれば2着順アップの条件クリアと、こちらもキッチリと手を作ってきました。これを受けて、たろうプロはz2を落として降りに回ります。滝口さんも、これを見て無理はしません。たろうプロがテンパイし直しましたが、たろうプロの1人テンパイというケースは、小林プロのリーチによってなくなりました。石橋プロも、テンパイ気配は薄く、滝口さんはテンパイを取らず。メンツを中抜いて、しっかりと降ります。結果、小林プロとたろうプロの2人テンパイ。着順は変わらず、3回戦終了となりました。

115分の熱戦の末、石橋プロのデカトップとなった3回戦、しかし滝口さんも3連続2着と大健闘。そしていよいよ、優勝の行方は最終4回戦へと持ち込まれました……。

大混戦を制すのは……

3回戦終了時点のポイントは、石橋プロが+82.6、たろうプロが+10.0、滝口さんが+7.6、小林プロが▲100.2。「麻雀の鉄人」シリーズは4回戦を行なうのですが、挑戦者が優勝する目が最終戦まで残るという番組的においしいケースが、毎回続いています。今回の例もそれに漏れず、滝口さんは石橋プロとの着順次第で、優勝できる可能性があります。とはいえ、石橋プロとのポイント差は75.0。トップラスで25000点差という条件なので、そう簡単にひっくりかえせそうにない気もします。え? 石橋プロの優勝で決まり? なるほどなるほど、そう思っても仕方がないくらい石橋プロが有利です。でもね、そう簡単に事が運ばないのが麻雀ですから。今回は、この原稿執筆時点でまだまだタイムシフト視聴ができますので、4回戦の模様まではネタバレ防止として掲載しません! ただ一つ、予想もつかないようなすごいこと、起きますよ! いったい何が起きるのか、優勝を飾るのは誰なのか? それはぜひ、ご自身の目でたしかめてください!

タイムシフト視聴はコチラ! ※2016年、5月7日(土)23時59分までタイムシフト視聴可能です

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